2023年、広告業界のトレンドと戦略
2022年は、誰にとっても、そして間違いなく広告主にとっても、とても厳しい年であったと言えるでしょう。
オンラインユーザーの行動は、良い時も悪い時も絶えず変化していますが、常に変わらないことが1つあります。それは、ユーザーは広告を警戒し、多くの人がバナーブラインドネスを発症しているということです。つまりユーザーは、広告が自分のコンテンツ消費を邪魔していると感じると、広告を閉じたり、スワイプして離れようとする傾向にあり、最悪のケースは、広告主がなんとしても回避したい、ブランドに対するネガティブな感情を抱かせてしまうという事態にも繋がりかねない、ということです。
とはいえ、このような状況においても、広告主は同じ(あるいはより厳しい)KPIと目標を持ち続け、上手に適応することで成功を収めていくことが求められます。
では、今年2023年、広告主が成功するために必要なトレンドと戦略をいくつか見てみましょう。
ソーシャルメディアネットワーク(SNS)からの脱却
OutbrainとSavantaの調査によると、オンラインユーザーの21%がソーシャルメディアに費やす時間を減らすと考えており、75%がソーシャルメディアネットワークよりも記事コンテンツと共に表示されている広告を信頼しているとのことです。米国でTikTokを禁止することについての議論があったり、多くのユーザーがFacebook/Metaから離れていることからもわかるように、明らかにソーシャルメディアの全体像に深刻な問題があると言えるでしょう。
広告主にとって、ここから得られる教訓は、すべてのトラフィックを1つのチャネルにまとめましょう!と言うことでありません。ソーシャルメディア以外のチャネルでの多様化を図ることの重要性なのです。例えば、これまでに試したことがない新しいチャネルを試験的に活用してみるのも良いでしょう。そして、ターゲット層が時間を費やす人気のニュースサイトやウェブサイト上でのネイティブ広告など、消費者が常に信頼を置いているウェブサイトやオンライン体験にリソースを集中させましょう。
B2C向けデマンドジェネレーション
デマンドジェネレーションは、ブランドやプロダクト、サービスの認知度や関心を高め、顧客獲得と長期的なエンゲージメントを最終目的とするB2Bマーケティング戦略として、人気が高く効果的な手法です。現在では、顧客行動の変化により、デマンドジェネレーションはB2Cのマーケティング戦略にも不可欠な要素となっています。
それでは、プロダクト、サービスのデマンドジェネレーションを実現するには、どうすればよいのでしょうか。
1:貴社のプロダクトやサービスで解決可能な課題や悩みを持つターゲット層を特定しましょう。
2:ターゲットとなるユーザーが抱える課題や悩みの解決に貢献し、付加価値を与えることに繋がるオンラインコンテンツ(動画、記事、ブログなど)により、ブランドの認知度を向上させましょう。つまり、各タッチポイントで適切なコンテンツを提供し、ターゲットユーザーのファネルを作成します。
3:ファネルダウン促進のために、ユーザーの行動を妨げないよう穏やかに、より有益な情報を提供していきましょう。そして、貴社がユーザーの課題を理解していて、解決のためのソリューションを提供する存在であると確信してもらうことが大切です。ここでは、Outbrainのネイティブ広告、ネイティブソーシャル広告のようなものが効果的です。
4:ファネルにおいては、早い段階でのエンゲージメントを目指しましょう。例えば Outbrain なら、ユーザーがコンテンツを消費するプレミアムニュースサイトで、ブランドと初めて出会う段階からエンゲージメントを促進するコンテンツを表示することができます。
5:コンバージョンとは、まさに「晴れ舞台」です。 トップファネルからファネルダウン(デマンドジェネレーション)を経た後、ユーザーがコンバージョンする準備ができている状態になると、ユーザーは頭の中に、貴社のプロダクトを思い浮かべています。例えば検索エンジンで検索するとき、一般的なキーワードを使用したとしても、結果的に貴社のプロダクトに辿り着くことになるでしょう。Google、Outbrain、ソーシャルメディア等でリマーケティングを行うことで、ローワーファネルでのコンバージョンを獲得することができます。
単純接触効果
物や情報が溢れる今、競争は激化の一途を辿っています。認知度を高め、ユーザーの心をつかむことに成功した者が勝者となります。
では、どうすれば良いのでしょうか?「単純接触効果」を意識すると良いでしょう。
単純接触効果とは、人は自分にとって最も身近なものに好意を抱く傾向があるという心理現象です。つまり、あるブランドに意識的に興味を持っているかどうかにかかわらず、そのブランドに触れる機会が多ければ多いほど、より親しみがわき、購入の意思決定をする際にそのブランドを選ぶ可能性が高くなるということです。
ブランド認知戦略やデマンドジェネレーションファネルを構築する際には「単純接触効果」を意識してみてください。
価値を伝える広告
昨今、ユーザーは非常に多くのオンラインコンテンツに触れる機会がありますが、広告主が提供すべきコンテンツは、あからさまに購入を促進するものではなく、ターゲットオーディエンスとの繋がりを構築することに注力するものです。その最も効果的な方法の1つが、潜在顧客のニーズや価値観に沿った有意義な価値を広告に盛り込むことです。
2023年、広告はこれまで以上に社会との関連性を高め、ポジティブな影響力を持ち、確固たる価値に基づいたものであることが必要になってくるでしょう。ブランドや企業は、ユーザーが純粋に何を考え、何を感じているかに注意を払い、そのようなトレンドを取り入れることが必要です。
ブランドを人間として
印象的なブランドは、よくストーリーを語っています。過度に売り込んだり、押しつけがましい雰囲気を出したりすることはありません。今日の消費者は非常に洞察力が高く、誇大広告を見破り、あまりに高尚な主張には懐疑的になります。個人的な感情を抱き、純粋かつ人間味のある方法で消費者とつながることができるブランドこそが、成功するのです。
単なる宣伝ではなく、ブランディングとストーリーテリングを統合したマーケティング戦略は、強い感情的な結びつきを生み出す傾向があります。動画などのストーリーテリングをサポートする広告フォーマットによって、ブランドの創造性を拡大し、競合との差別化をはかっていきましょう。
オムニチャネルは唯一のチャネル
Webサイト、実店舗、アプリ、ネイティブ広告など、今日の消費者は数多くのプラットフォーム、チャネル、デバイスでブランド/企業とつながっています。すべてのタッチポイントで一貫性のある統一された「オムニチャネル」体験の創出が不可欠です。
今年2023年、シームレスなオンライン体験を実現するためには、貴社のビジネスに関する重要な情報を一元化し、すべてのマーケティングチャネルに配信することが必要です。現場でどんなに目まぐるしい変化が起きていようとも、ユーザーがオンライン上で活動する際はいつでも、例えばネイティブ広告として、またはソーシャルメディア、検索エンジンなど、あらゆる場所で貴社のブランドが存在している必要があるのです。
さらに、各チャネルで最新かつ一貫した体験を提供することで、ユーザーとの間に絶大なる信頼関係を築くことができます。
エンゲージメントに不可欠な動画とライブストリーミング
人々は、1週間に7時間近く、オンラインで動画をストリーミングしています。動画コンテンツは、売上の重要な原動力の1つであり、ユーザーにリーチするための最良の方法の1つでもあります。
InstagramのReelsからTikTok、そしてTwitchのようなニッチなプラットフォームまで、ユーザーは動画コンテンツやライブストリーミングのみを扱うチャネルに多くの時間を費やしています。これらのチャネルは、非常に大きな利益をもたらすこともあります。あるレポートによると、ライブストリーミングは、ソーシャルアプリだけで、2025年までにクリエイター経済に780億ドルの利益をもたらすと推定されています。
しかし、バナーブラインドネスと同様に、問題に発展しそうな動画はブランドにとってダメージとなりえます。現在、消費者の3分の2は、動画広告をスキップすることを選択しています。そのため、Click–to-Watchのような動画広告が効果的なのです。
最高の動画広告体験は、ユーザーが視聴するかどうかを選択できること、つまり、広告をスキップするのを待つのではなく、逆に「オプトインする」ことから生まれます。Outbrainは、Click-to-Watchのネイティブ動画フォーマットをはじめ、オーディエンスを惹きつけ、ブランドの認知度やロイヤリティを高めるのに最適ないくつかのフォーマットを提供しています。
今からでも遅くありません!
マーケティングファネルにおいて、ターゲットとなるユーザーとの信頼関係を築くには、時間がかかります。潜在顧客との関わりを早く持てば持つほど、エンゲージメントを高めることができ、コンバージョンの時期が来たときに、潜在顧客は貴社のブランドを一番に思い浮かべるようになるのです。
大手プラットフォーム、ソーシャルメディアや検索に加えて、新たなトラフィックを生み出すために、ブランドセーフなニュースサイトや、ターゲットオーディエンスが多くの時間を費やすオープンウェブ上のウェブメディアに、ネイティブ広告を掲載しましょう。そして、2023年の広告戦略を成功させましょう!
*このブログは、2023年1月に本国にて発表されたブログを意訳したものです。